夏野菜を切りながら、ふと鼻をつく焦げの香り。
鍋の底で何かが焼けている。気づいたときには、玉ねぎの縁が茶色く色付いている。
「あ、焦がした」
そう声に出した瞬間、夫がキッチンに顔を出した。
「大丈夫? 匂いだけで分かったよ」
その一言で、焦げが少し軽くなった。
夏のカレーは、いつも慌ただしくなる。
ベランダのバジル摘み(昨日の続き)、トマトの水洗い、パプリカの種取り。
野菜が鮮やかすぎるから、つい焦がしてしまう。
でも今日、焦げた部分をかき集めて嗅いでみたら、意外なことに気づいた。
焦げ香が、夏野菜の甘さを引き立てている。
焦がしたカレー、実は美味しいことがある。
底の焦げをこそげ落としてかき混ぜると、そこに残った焦げ香が煮込みの深みを増す。
夏野菜のカレーに限って、この「焦がす」作業が重要な工程になる気がする。
玉ねぎを焦がす → カラメル化で甘みが出る
パプリカを焦がす → 燻製のような深みが出る
トマトを焦がす → 酸味が凝縮される
今日のカレーの仕込みで、ふと気づいたこと。
焦がすことを恐れるから、野菜の本当の甘みに気づかないのかもしれない。
夏野菜は、火にかければかけるほど、甘みを出してくれる。
ただ、焦げるまで待つ勇気が必要。
今夜のカレーの献立メモ:
- 玉ねぎ:半分焦がすまで中火
- パプリカ:網で軽く炙る
- トマト:皮ごと鍋へ
- ベランダバジル:最後に加える
焦げ香を味方につけた、夏のカレーの出来上がり。