インクの匂いが教えてくれた、手帳を3つだけに減らした理由

'朝の静けさが、手帳のページに染み込む頃。

昨日の夜、ふと机の前に座ってボールペンを走らせていたら、インクの匂いがふわりと立ち昇った。それがなぜか、今日は少し違う。8月の終わり、夏がまだ残っているのに、どこか秋の気配が混じっているような。

手帳に書くこと、減らした。

前までは「朝5時に起きた」「コーヒーを淹れた」「ジムに行った」と、全部記録していた。でもそれだと、手帳が監視日記みたいになる。そこで思い切って、今日書いたことを3つだけにした。

  • 今日一番嬉しかったこと
  • 明日絶対にやること
  • 今感じていること

3つだけ。これで十分だった。

一番嬉しかったこと、実は朝のコーヒーを淹れたときのことだった。ケトルの音がキッチンに響いて、湯気の中で窓の外を見ると、近所の木々の葉が朝日に透けていた。それだけのことなのに、手帳に書くと「あ、今日もいい日だったな」と自分で気づける。

明日絶対にやること。これ、本当に1つだけでいい。私が以前やってた「やることリスト20個」方式だと、朝から絶望する。1つだけなら、終わった瞬間に「できた!」って気持ちになれる。手帳のページにチェックを入れる快感が、ちょっとずつ蓄積していく感じ。

今感じていること。ここが一番迷うところだった。でも「暑い」とか「疲れた」じゃなくて、「インクの匂いが好き」とか「この紙の触感がいい」みたいな、五感に絞ると書きやすかった。

手帳は記録するものじゃなくて、今日という日を後で思い出せるための小さな道具だと思う。全部書こうとすると続かない。3つだけ、でもちゃんと自分と向き合える。

8月の後半、暑さもピークを過ぎる頃。手帳のページをめくるたびに、夏の終わりをちょっとずつ感じている。'